第5回 アルゴリズム的パラダイム転換

Google DeepMind「From AGI to ASI」完全解説|第5回 / 全9回

Transformerの延長だけでAGI・ASIに到達できるのか

シリーズ ERF Research Companion Series No.1

版 Publication Edition / Version 1.0 / 2026

キーワード Transformer / パラダイム転換 / 継続学習 / 世界モデル

概要

第4回では、AGIからASIへ向かう第一の経路として、計算資源、モデル規模、データ量、推論時計算量を増大させる「スケーリング」を検討しました。

スケーリングは、過去十年のAI発展を支えてきた最も明確な経路です。しかし、規模を増やすだけで、AGI、さらにASIに到達できるとは限りません。

詳細目次
  1. はじめに
  2. 第1節 現在のAIパラダイムとは何か
  3. 第2節 「パラダイムの進化」と「パラダイム転換」
  4. 2.1 パラダイムの進化
  5. 2.2 パラダイム転換
  6. 第3節 現在のパラダイムだけではAGIに不足すると考えられる要素
  7. 第4節 固定的な一回の推論から、動的な計算へ
  8. 現在のパラダイムの「進化」
  9. 第5節 ツールを使う知能
  10. 知能はモデルの中だけにあるのか
  11. 第6節 継続学習
  12. 第7節 破滅的忘却
  13. 第8節 文脈窓の限界
  14. 第9節 検索による事実上無制限の記憶
  15. 内部記憶と外部記憶
  16. 第10節 Transformerの計算上の制約
  17. 無限に活動するエージェント
  18. 第11節 作業記憶
  19. 第12節 世界モデル
  20. 第13節 世界モデルによる「想像」
  21. 第14節 相関から因果へ
  22. 反実仮想
  23. 第15節 環境で行動するエージェント
  24. 第16節 予測モデルと意思決定エージェントは同じか
  25. 第17節 現在のパラダイムは意外に遠くまで行ける可能性
  26. 第18節 現在の方法が限界に達したとき
  27. 真のパラダイム転換
  28. 第19節 新しいアーキテクチャ
  29. 第20節 新しい最適化方法
  30. 第21節 強化学習を中心とする事前学習
  31. 静的な事前学習
  32. 強化学習中心の事前学習
  33. 第22節 ニューロモーフィック・ハードウェア
  34. 第23節 アナログ計算
  35. 第24節 複雑性理論上の限界を超えるとは何か
  36. 第25節 パラダイム転換はなぜ予測できないのか
  37. 第26節 小規模では価値が見えない問題
  38. 既存技術への固定
  39. 第27節 研究は次第に難しくなるのか
  40. 第28節 幻覚は修正可能な欠点か、構造的問題か
  41. 現在のパラダイムの根本的弱点になり得るもの
  42. 第29節 プロンプトインジェクション
  43. 第30節 人間の概念に閉じ込められる「抽象化の壁」
  44. 第31節 生の世界から新しい概念を形成する
  45. 第32節 効率の飛躍
  46. パラダイム転換とASI
  47. 第33節 スケーリングとパラダイム転換は対立しない
  48. 第34節 パラダイム転換がAGI以前に起きる場合
  49. 第35節 パラダイム転換がAGI以後に起きる場合
  50. 第36節 予測不能性そのものが重要である
  51. 第37節 パラダイムに依存しない基礎理論
  52. ERF Commentary
  53. 第38節 大学は既存パラダイムを教えるだけでよいのか
  54. 第39節 パラダイム転換は学際的な境界から生まれる
  55. 第40節 人文学はパラダイム転換に無関係ではない
  56. 第41節 大学は失敗し得る研究を守れるか
  57. 第42節 しかし大学も既存パラダイムに固定される
  58. 第43節 知識の蓄積と知識の転換
  59. 第44節 教育の世界モデル
  60. 第45節 継続学習と生涯学習
  61. 第46節 AIを一つの完成品として導入してはならない
  62. 第47節 Ecological Universityと技術の多元性
  63. 第48節 大学は「次のパラダイム」を予言する必要はない
  64. 結論