第9回 AGI以後の未来に、私たちはどう備えるべきか

Google DeepMind「From AGI to ASI」完全解説|第9回 / 全9回

四つの経路、六つのボトルネック、研究アジェンダ、そして原報告書の最終結論

シリーズ ERF Research Companion Series No.1

版 Publication Edition / Version 1.0 / 2026

キーワード 研究アジェンダ / AIガバナンス / 高等教育 / ASI

概要

Google DeepMindの『From AGI to ASI』は、ASIの実現時期を予測する報告書ではありません。

この報告書の目的は、人間レベルのAGIが実現した後もAIの能力が向上すると仮定した場合に、どのような技術的経路があり、何がその進歩を加速し、何が減速または停止させるのかを整理することにあります。

詳細目次
  1. はじめに
  2. 第1節 Section 6の中心問題
  3. 量的スケーリングだけでASIに到達できるのか
  4. 1.1 スケーリングと質的革新の循環
  5. 1.2 現在の推論時スケーリングの限界
  6. 第2節 AGIとASIの境界は、個体ではなく組織にあるかもしれない
  7. 第3節 AI能力の進歩とは何を意味するのか
  8. 第4節 原報告書の研究アジェンダ
  9. 第5節 研究領域1
  10. スケーリングの摩擦とボトルネック
  11. 5.1 データの壁
  12. 5.2 計算資源と知能の関係
  13. 5.3 パラダイム転換の予測
  14. 5.4 研究の難化
  15. 5.5 抽象化と身体性
  16. 第6節 研究領域2
  17. 定量的予測
  18. 6.1 測るべきマクロ指標
  19. 6.2 単一予測ではなく複数モデル
  20. 6.3 転換点を見つける
  21. 6.4 継続的に更新する予測機関
  22. 第7節 研究領域3
  23. ASIをどのように測定するか
  24. 7.1 人間基準の飽和
  25. 7.2 マルチエージェント・ベンチマーク
  26. 7.3 Setter–Solver方式
  27. 7.4 圧縮ベンチマーク
  28. 7.5 間接的な能力測定
  29. 7.6 質的飛躍と測定上の飛躍
  30. 第8節 研究領域4
  31. 再帰的自己改善の動態
  32. 8.1 改善機構ごとのスケーリング則
  33. 8.2 固定モデルを推論だけでどこまで伸ばせるか
  34. 8.3 再帰的蒸留
  35. 8.4 AI Scientistの生産性
  36. 8.5 知的労働が安価になった後のボトルネック
  37. 第9節 研究領域5
  38. マルチエージェント・スケーリング
  39. 9.1 どの課題で集団が有効か
  40. 9.2 組織形態の比較
  41. 9.3 個体を大きくするか、個体数を増やすか
  42. 9.4 集団アラインメント
  43. 9.5 認識上のレジリエンスと回復可能性
  44. 第10節 研究領域6
  45. 超知能の理論的基礎
  46. 10.1 実用的なAIXI理論
  47. 10.2 圧縮と近似の理論的限界
  48. 10.3 能力の凹凸は本質的か
  49. 10.4 ASIの能力は予測可能か
  50. 第11節 研究領域7
  51. AI安全性、アラインメント、社会文化的問題
  52. 11.1 意図的減速の方法
  53. 11.2 超知能は整合させやすいのか
  54. 11.3 収束的な道具的目標
  55. 11.4 科学の制度は耐えられるか
  56. 11.5 労働から資本への移行
  57. 第12節 原報告書の最終結論
  58. 12.1 一つのタイムラインへ賭けてはならない
  59. 12.2 AGIで正確に止まる可能性は低い
  60. 12.3 二つの比較的可能性の高いシナリオ
  61. 12.4 「次の10年から20年」を無視できない
  62. ERF Commentary
  63. 第13節 この報告書は「AGIの予測」ではなく「準備の設計図」である
  64. 第14節 「AGIの瞬間」ではなく、連続する社会変革
  65. 第15節 大学は一度のAI改革では対応できない
  66. 第16節 大学に必要なのは予測力より更新力
  67. 第17節 大学はASIベンチマークの形成に参加すべきである
  68. 第18節 知識生成より知識統治が重要になる
  69. 第19節 AI時代の学際性は「付加的な価値」ではない
  70. 第20節 BarnettのEcological Universityとの関係
  71. 第21節 大学はAIの速度と社会の速度をつなぐ制度である
  72. 第22節 高等教育に必要な研究アジェンダ
  73. 第23節 この報告書の限界
  74. 結論