AI時代の「資本の民主化」
Nicolas Berggruen / Nathan Gardels(2025)
人工知能(AI)は、企業や産業の生産性を大きく高め、社会全体をこれまで以上に豊かにする可能性を持っています。しかし、その豊かさが自動的に広く行き渡るとは限りません。機械が担う仕事が増え、人間の労働と価値創出の結び付きが弱まれば、賃金を通じて成長の成果を分かち合う従来の仕組みは十分に機能しなくなるからです。そこで重要になるのが、所得だけでなく「誰が資本を所有するのか」という問いです。
Nicolas BerggruenとNathan Gardelsは、AIが生み出す富への参加をすべての人に開く構想として、Universal Basic Capital(UBC、普遍的基礎資本)を提起します。生活を支える所得を事後的に移転するUniversal Basic Income(UBI、普遍的基礎所得)に対し、UBCは、市民が株式や投資ファンドなどの資産を持ち、経済成長から継続的な収益を得られるようにする考え方です。それは、格差が生じた後に是正するだけでなく、富が生まれる過程にあらかじめ人々を参加させる「Predistribution(事前分配)」への転換でもあります。本論文が問うのは、AIがどこまで人間の仕事を代替するかだけではありません。AIによって生まれる富を誰が所有し、どのような制度を通じて社会全体の繁栄へ結び付けるのかという、AI時代の新しい社会契約です。
1. AIは経済の構造を変える
労働を通じて富を分かち合う仕組み
産業化の時代には、人間の労働が機械を動かし、新しい価値を生み出す中心的な要素でした。労働者は賃金を受け取り、企業の所有者は利益を得ます。生産性の上昇が賃金の上昇にもつながる限り、経済成長の成果は、完全に公平ではないとしても、雇用を通じて社会へ広がりました。
しかし、所得を得る人と、値上がりする資産を所有する人の間には、長期にわたって格差が蓄積してきました。論文が参照する米国の研究では、労働者層は投資に回せる貯蓄をほとんど持たず、中間層の資産は住宅に偏り、富裕層は主として企業の持分を所有しています。2024年には、米国の株式の93%を上位10%が所有していました。資産から得た収益を再投資できる人は、複利によってさらに多くの資産を形成できます。一方、賃金で日々の生活を支える人は、その循環に参加しにくいままです。
Thomas Pikettyが示した「r > g」、すなわち資本収益率が経済成長率を上回ると格差が拡大するという関係は、この構造を端的に表しています。米国では1979年以降、生産性が86%伸びたのに対し、時間当たり賃金の伸びは27%にとどまったと論文は指摘します。生産性の向上が、かつてのようには労働者の所得へ反映されていないのです。
AIによって強まる資本へのシフト
デジタル経済は、雇用、所得、生産性、富の創出の結び付きをさらに弱めています。AIは会計、小売、製造、教育、医療など経済のほぼ全域へ浸透し、この傾向を加速させます。国際通貨基金(IMF)の分析では、先進国の雇用の約60%がAIの影響を受ける可能性があります。その一部ではAIが人間を補完し、生産性と所得を高める一方、別の一部ではAIが人間の主要な業務を代替し、労働需要、賃金、採用を減少させる可能性があります。
論文の表現を借りれば、価値を生み出す力が人間の労働から技術へ移るほど、その価値は労働者よりも「ロボットを所有する者」に帰属します。AI企業の価値は、データ、計算資源、知的財産、ネットワーク効果など、少数の企業が保有する資産を基盤として増大します。AIが高い生産性を実現しても、その所有が集中したままであれば、利益もまた限られた株主や投資家へ集中します。
もちろん、AIが必ず大量失業をもたらすと決まったわけではありません。労働経済学者David Autorは、AIが専門知識をより多くの人に利用可能にし、中間層の仕事を再構築する可能性を論じています。AIを組み込んだ道具によって学習の費用を下げ、経験の獲得を速め、より多くの人が高い付加価値を生み出せるようにするという見方です。
著者たちは、この可能性を否定しません。しかし、AIが労働者の生産性を高めたとしても、資本収益率の高さと資産所有の偏りが生む格差の力学は残ると考えます。したがって、課題は労働の側だけでは解決できません。AIによる生産性革命を包摂的な繁栄へ変えるには、資本収益を受け取る経路そのものを、より多くの人に開く必要があります。
2. Universal Basic Incomeでは十分ではない
所得移転が残す構造
AIによる雇用の減少や所得の不安定化への対策として、Universal Basic Income(UBI)がしばしば提案されます。UBIは、就労の有無にかかわらず、すべての人に一定の現金所得を保障する構想です。生活の最低基盤を支え、技術変化によって仕事を失った人を保護するという点で、明確な役割があります。
しかし著者たちは、UBIだけではAI経済における格差の根本構造を変えられないと論じます。UBIは、資本の所有者に集中した所得の一部を、税や給付を通じて後から移す仕組みです。給付を受ける人の生活を支えることはできても、値上がりする資産の所有構造や、資本収益が一部に蓄積する力学そのものは変わりません。Pikettyが示したように資本収益が経済成長を上回り続ければ、移転の前段階では同じ格差が繰り返し生み出されます。
著者たちはまた、UBIには社会的な意味の問題が伴うと考えます。仕事は所得だけでなく、目的、役割、社会参加の感覚ももたらしてきました。労働から切り離された給付だけで対応すれば、支える側と支えられる側という意識が生まれ、社会の分断や反発を強めるおそれがあります。
重要なのは「所有」への参加
UBCが目指すのは、給付の受給者を増やすことではなく、資本の所有者を増やすことです。貯蓄を投資へ回し、AIによって労働の役割が縮小する領域で生まれる収益を、市民自身が受け取れるようにします。そこでは、人々は成長の成果を後から分け与えられる存在ではなく、経済の共同所有者として位置付けられます。
Sam Altmanが提案する「Universal Basic Compute」、すなわち誰もが高度なAIの計算能力の一部へアクセスし、それを利用、売却、寄付できるようにする構想も、AIの生産力への持分を広げる発想です。ただし、著者たちは、その計算能力を実際にどのように配分するかはまだ明確ではないと指摘します。そのうえで、より一般的かつ制度化可能な形として、資産を所有し、資本収益へ参加するUBCを提示します。
3. Universal Basic Capitalという考え方
下から資産を形成する
Universal Basic Capitalとは、すべての人が経済の生産的資産に持分を持ち、そこから収益を得られるようにする構想です。目的は、上位に集中した富を解体することだけではありません。これまで十分な資産を持てなかった人々の側から、富を形成する基盤を築くことです。著者たちは、デジタル時代の格差に対処する最も有効な方法は、株式などの持分を広く行き渡らせることだと主張します。
UBCの基本形は、市民が個人の貯蓄・投資口座を通じて参加するウェルス・ファンドです。参加を義務化する方式も、自発的な参加を促す方式もあり得ます。原資は、個人と雇用主の拠出、政府の財政余剰、天然資源からの収入、データ利用に対する課税、企業による株式の拠出など、各国の経済構造と政治的条件に応じて設計されます。
投資先は、個別のAI企業だけに限定されません。株式市場を含む分散された投資ポートフォリオ、投資ファンド、長期的なインフラなど、生産性向上によって価値を増す幅広い資産が想定されています。重要なのは、AI経済の成長を支える企業や資産から生まれる収益に、市民が継続的に参加できることです。運用を専門家に委ね、リスクを分散し、長期の複利効果を個人の資産形成へつなげます。
経済への参加と社会的連帯
UBCは、資本主義を放棄する提案ではありません。市場で生まれる成長と投資収益を活用しながら、その所有基盤を広げる提案です。市民一人ひとりが経済の持分を持てば、社会全体の生産性向上が自らの利益にも結び付きます。著者たちは、この共通の利害が社会的連帯を高め、給付する側と受給する側の対立を和らげると考えます。
この発想は、特定の政治的立場だけに属するものでもありません。論文は、左派の経済学者Joseph Stiglitzが、UBCを社会主義でも従来型の資本主義でもないと評価したことを紹介します。また、19世紀末の教皇Leo XIIIが、産業革命期の労働と資本の対立に対して、できるだけ多くの人を所有者にする政策を唱えたことにも言及します。技術と富の集中によって社会が二分されるとき、所有を広げるという課題は、時代と立場を超えて現れます。
4. Predistribution(事前分配)
富が生まれる過程へ参加する
UBCの中心にある原理が、Predistribution(事前分配)です。Redistribution(再分配)は、市場で所得と富が生まれた後、税と社会保障を通じてその一部を移転します。これに対して事前分配は、富が生み出される段階から、より多くの人が資産の所有者として参加できるようにします。
両者の違いは、単なる実施時期ではありません。再分配では、資本を持つ人に利益が集中する構造を前提としたうえで、その結果を後から調整します。事前分配では、誰が利益を受け取る権利を最初から持つのかを問い直します。市民が株式やファンドの持分を保有していれば、企業価値の上昇や生産性の向上は、配当や資産価値の上昇としてその市民にも及びます。
AI時代に事前分配が重要なのは、労働を通じた分配が縮小する可能性があるからです。雇用が減った後に現金を支給するだけでなく、AIが価値を生み出す前から、社会の構成員がその資本を共同で所有する仕組みを設ける必要があります。それは、資本収益が一部に蓄積してから格差を修復するのではなく、複利の力をより広い層の資産形成に働かせることを意味します。
5. 実現可能な制度設計
すでに存在するウェルス・ファンドと年金基金
UBCは完成した単一の制度ではなく、各国で既に機能している制度を組み合わせ、AI時代に適合させる構想です。天然資源から得た公的収入を国民の資産に変える例として、ノルウェーの政府年金基金があります。北海油田の収入を原資とする同基金は、約1.8兆ドルの資産を運用し、その継続的な収益を国民の利益へ結び付けています。米国アラスカ州の恒久基金も、公有地の石油収入を基に住民へ定期的な配当を支払っています。
雇用主と労働者の拠出を基盤とする制度もあります。シンガポールのCentral Provident Fundは、双方が拠出する強制加入型の基金で、55歳以降の引き出しを退職、教育、医療などに利用できます。米国連邦職員のThrift Savings Planは、本人が給与からの拠出額を決め、資産運用の専門家が管理します。
論文が特に評価するのは、オーストラリアのSuperannuationです。1992年に導入されたこの制度は、雇用主と従業員の拠出を通じて、労働者が生産性向上から生まれる富へ直接参加できるようにしました。基金の規模は約4.2兆豪ドルと同国の国内総生産を上回り、国内外の資産やインフラへ長期投資を行っています。著者たちは、その収益が格差の縮小と国民の資産形成に寄与してきたと評価します。
日本のNISAと市民への対象拡大
日本のNISAも、雇用に直接結び付かない個人資産形成の一つのモデルとして紹介されています。2024年に始まった新制度では、年間最大360万円の投資枠が設けられ、運用益が恒久的に非課税となりました。投資信託を利用すれば、個別株よりもリスクを分散できます。著者たちは、2024年には口座数が約2,500万に達したことを挙げ、市民が市場の成長へ参加する経路として注目します。
米国では、連邦職員向けThrift Savings Planや、カリフォルニア州職員の年金基金CalPERSを一般市民にも開放する案が考えられます。小規模事業者の従業員を対象とするCalSaversも、AIによって雇用が縮小する将来には、就労形態にかかわらず市民が参加できる制度へ拡張し得ます。
ただし、税制優遇や投資機会を用意するだけでは、十分な貯蓄を持たない人は参加できません。論文は、米国人の半数が500ドル未満の貯蓄しか持たないという調査を示します。普遍的な制度にするには、政府が初期資金を拠出し、資産形成の出発点そのものを保障する必要があります。
データ配当と公的な初期資金
初期資金の一案が「データ配当」です。デジタル企業やAI企業の生産性は、市民が生み出す膨大なデータに支えられています。そこで、データへの依存度が高い事業に課税し、その税収を、市民一人ひとりが持分を持つ州の政府系ファンドへ拠出します。対象には、利用者同士を結ぶプラットフォーム、個人に合わせた広告、個人データの販売などが含まれます。生成AIの普及を踏まえれば、公的・私的データで学習するAIモデルも検討対象になります。
カリフォルニア州を想定した試算では、該当する州内売上に1%を課税した場合、2021年のデータに基づく税収は年間4億3,400万ドルでした。今日では生成AIの成長と企業価値の上昇により、規模はさらに大きくなり得ます。新興企業や成熟企業が、税の代わりに、または税制上の優遇と引き換えに株式をファンドへ拠出する方法も示されています。一方で、一州だけが高い負担を課せば企業が移転する可能性があるため、企業活動を過度に阻害せず、基金を育てられる水準を慎重に設計する必要があります。
Child Trust FundとBaby Bonds
公的な初期資金を子どもの時点で付与する制度は、UBCの萌芽的な形です。カリフォルニア州のCalKIDSは、低所得世帯の公立学校1年生に最大1,500ドルの大学進学資金口座を設け、資金を共同運用して高等教育費に備えます。米国では2025年に、8歳未満の子どもへ1,000ドルの口座を自動的に開設し、18歳までS&P 500に連動して運用する、いわゆるTrump Accountsも法制化されました。家族は追加拠出でき、将来は教育、起業、住宅購入などに利用できます。
同様のBaby Bondsは、米国コネティカット州、フランス、ドイツなどでも試みられています。英国のChild Trust Fundは2003年に始まり、2011年に終了するまでに630万の新規口座を生みました。2023年4月時点の時価総額は90億ポンドで、そのうち政府拠出は20億ポンドでした。公的な初期資金が、家族の追加貯蓄と長期運用を呼び込み、より大きな個人資産へ成長した例です。
論文執筆時点で、ドイツでは2026年から、6歳から17歳までのすべての子どもに月10ユーロを拠出し、家族も追加できる「早期スタート年金口座」が計画されていました。運用益は非課税とされます。また、政府の初期資金を給付ではなく無利子融資とし、18年後に元本だけを返済させる案も論じられています。返済された資金を次の世代へ循環させれば、財政余力が限られる場合にも、資産形成の出発点を広く提供できます。
これらの制度に共通するのは、少額でも早い段階で資本市場への入口を設け、資金を共同で専門的に運用し、長期の複利効果を個人へ帰属させることです。また、天然資源、雇用、データ、一般財源など、社会が持つ共通の資源を、市民の長期的な資産へ変換します。UBCは、これらを雇用に限定されない普遍的な仕組みへ拡張しようとするものです。
6. AI時代の新しい社会契約
AIが社会全体を豊かにするかどうかは、技術の能力だけでは決まりません。AIが生み出す生産性と利益を誰が所有し、どのような権利として市民に開くかによって決まります。少数の企業と投資家だけがAI資本を所有すれば、社会全体の生産性が上がっても、賃金の停滞、雇用の不安定化、富の集中が同時に進む可能性があります。
UBCが構想する新しい社会契約では、市民は保護されるだけの存在ではなく、AI経済の共同所有者です。公的基金、個人口座、企業や個人の拠出、データ配当、税制優遇などを通じて、市民が資本収益へ参加します。これは市場の活力を維持しながら所有を広げる、包摂的な資本主義の制度設計です。
所有の広がりは、民主主義にも関係します。富が少数に集中すれば、経済力は政治的影響力へ転化し、市民の平等な参加基盤を弱めます。反対に、多くの人が社会の生産的資産に持分を持てば、経済成長への共通の利害と長期的な視点が生まれます。著者たちにとって、資本の民主化は経済政策であると同時に、分断された社会の連帯を再建し、民主主義を支える構想でもあります。
Conclusion
『Universal Basic Capital: An Idea Whose Time Has Come』は、AIによる雇用喪失の規模を予測するだけの論文ではありません。技術が価値創出の中心を労働から資本へ移すとき、成長の成果を社会へ分配してきた仕組みそのものを設計し直す必要があると論じています。
UBIは、所得を失った人の生活を支える重要な手段になり得ます。しかし、資本を所有する人に富が集中し、その一部を後から給付するだけでは、格差を生み出す構造は残ります。これに対してUBCは、市民が株式、投資ファンド、公的ウェルス・ファンドなどを通じて生産的資産を持ち、AI経済の成長と資本収益に最初から参加することを目指します。格差が生じた後の再分配から、富が生まれる過程に参加する事前分配への転換です。
ノルウェーやアラスカの基金、シンガポールとオーストラリアの年金・貯蓄制度、日本のNISA、英国のChild Trust Fund、各国のBaby Bondsは、そのための制度的要素がすでに存在することを示します。課題は、これらの仕組みを雇用や貯蓄能力のある人だけに限定せず、公的な初期資金も用いてすべての市民へ開くことです。
著者たちが提示するのは、完成済みの単一制度ではなく、社会の条件に応じて具体化すべき制度原理です。個人の自助だけに委ねず、市場の運用力と公的な基盤を組み合わせることで、資産を持たない人にも資本形成の入口を保障します。AI時代に必要なのは、所得を保障するだけでなく、資本の所有を民主化することです。AIが生み出す豊かさを共有するには、すべての人がその価値の共同所有者となる新しい社会契約が求められます。
ERF Commentary
これまでERFが取り上げてきたSam Altmanの「The Gentle Singularity」、Dario Amodeiの「Machines of Loving Grace」、Google DeepMindの「From AGI to ASI」は、いずれも高度なAIが科学、医療、教育、経済、そして人間の能力をどこまで拡張し得るかを論じています。そこでは、AIが何を可能にするのか、その進歩を人類に有益な方向へ導くには何が必要かが主要な問いでした。
本論文は、その議論を経済制度の領域へ一歩進めます。AIが大きな生産性向上と豊かさを実現するとして、その富を誰が所有し、どのように社会全体で共有するのかを問います。技術的可能性が社会的な繁栄へ自動的に転換されるわけではありません。所有と分配の制度が変わらなければ、AIの進歩は豊かさと格差を同時に拡大させる可能性があります。UBCは、AIの将来像を論じる際に、技術、安全性、倫理だけでなく、資本への参加という視点が不可欠であることを示しています。
この問題は、高等教育にも重要な課題を提起します。AI時代の大学教育では、AIを使いこなす能力だけを育てればよいわけではありません。AIリテラシーに加え、生産性、雇用、資本、税制、社会保障などの経済制度を理解し、公共政策として複数の選択肢を比較し、倫理的な含意を検討する力が必要です。工学、経済学、公共政策、法学、倫理学、社会学を横断し、「技術と社会」を一体として考える教育が求められます。学生はAIの利用者や開発者であるだけでなく、AIが組み込まれた社会の制度を構想し、民主的な議論に参加する市民でもあるからです。
少子高齢化、人口減少、労働力不足に直面する日本にとって、AIによる生産性向上はとりわけ大きな意味を持ちます。同時に、雇用や賃金だけに依存して成長の成果を共有する仕組みには限界が生じ得ます。論文が日本のNISAを一つのモデルとして取り上げていることも示唆的です。ただし、資産形成を個人の貯蓄能力だけに委ねれば、参加できない層が残ります。AIがもたらす成長を社会全体で共有するために、誰もが長期的な資本収益へ参加できる制度をどう設計するかは、日本でも今後避けて通れないテーマです。
原論文
Nicolas Berggruen and Nathan Gardels, “Universal Basic Capital: An Idea Whose Time Has Come,” The Digitalist Papers, 2025.
